競輪予想をするときに、「ラインの強さ」を判断できると車券の的中率が上昇します。
ラインとは、選手がレース中に一時的に2~3名で組むチームのようなもの。同じライン内の各選手が協力して、敵のラインよりも有利なポジションを取ろうとします。
しかし競輪予想初心者にとって、最初に難しいと感じるのが「ライン」だと言われています。
そこで今回は、三連単を当てるために欠かせない強いラインの見極めるときのコツをご紹介して行きます。
ラインはどのように形成される?
9車立ての場合で、基本的なラインの組み方をご紹介します。
- 3分戦「3-3-3」、「4-3-2」
- 4分戦「3-2-2-2」
- 2分戦「5-4」
- 先行1車
ラインは3つに分かれる組み方が多いですが、状況に応じて2つ、4つに分かれることもありますよ。
今回は、3人でラインを組んだケースを想定し、先頭選手、2番目の選手、3番目の選手のそれぞれの役割をまとめました。
●先頭選手(自力選手)
- 脚質:逃
- 戦略:先行/まくり(自力)
- 番手選手を空気抵抗から守る
●2番目の選手(番手)
- 脚質:追
- 戦略:追込み(他力)
- 自力選手を後方の選手から守る
●3番目の選手(三番手)
- 脚質:追
- 戦略:追込み(他力)
- 自力選手を後方の選手から守る
以上のように、選手たちはレースを有利に運ぶためにラインを作っています。
強いラインの見極め方とは?
強いラインの見極め方について、出走表をもとにご紹介していきます。
上の画像は、2020年1月1日に伊東温泉競輪場で行われたF1「チャリ・ロト杯」第1レースのライン予想です。
レースの結果は、3番車の大利航平選手が「まくり」を決めて1着、5番車の矢田晋選手が同じく「まくり」で2着に入っています。違うラインの先行選手が1、2着になったレースでした。
それでは、強いラインを見極める方法をご紹介していきます。
- 選手の府県を見る
- 競走得点を見る
- 決まり手を見る
- 「B」「H」を確認する
方法①:選手の府県を見る
まずは、選手の府県を確認しましょう。
ラインは、同じ県や同じ地区の選手同士で組まれます。そして、選手同士の練習場所が近いと特徴などをお互いに知っているため、ラインを組みやすい傾向にあります。
出走表の府県には、選手が住んでいる都道府県が書かれているので、おおまかなライン予想に役立ちますよ。
上の画像の選手は、
- 1番車(愛知):中部ライン
- 2番車(岡山):中国ライン
- 3番車(和歌山):近畿ライン
- 4番車(静岡):南関東ライン
- 5番車(福岡):九州ライン
- 6番車(静岡):南関東ライン
- 7番車(三重):中部ライン
- 8番車(福島):北日本ライン
- 9番車(徳島):四国ライン
以上のように振り分けることが可能です。
ラインの地区は9種類
ラインはチームなので、選手同士がお互いの脚質や得意な戦略を知っているほうが組みやすく、レースを優位に運ぶことができます。
そのため、ラインは
- 同じ競輪場で練習してるか
- 同じ県に選手登録しているか
- 同じ地区に選手登録しているか
- 隣接地区に選手登録しているか
など、選手同士の練習場所の近さから順に組まれることが多いです。競輪のラインにおける地区を表にまとめました。
- 北日本ライン:北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島
- 関東ライン:東京、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨、長野、新潟
- 南関東ライン: 神奈川、千葉、静岡
- 中部ライン:愛知、岐阜、三重、富山、石川
- 近畿ライン: 京都、大阪、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、福井
- 中国ライン:広島、山口、岡山、島根、鳥取
- 四国ライン:愛媛、香川、徳島、高知
- 九州ライン:福岡、熊本、長崎、佐賀、大分、鹿児島、宮崎、沖縄
競輪の「地区」とは、日常で使われるような分け方とは異なります。
また、実際のレースでは、同じ競輪場や県の選手が同じレースに出走することはほぼありません。
方法②:競走得点を見る
ライン同士の強さは、競走得点を使って見比べましょう。競走得点とは、「選手の強さ」を簡単に数値化したもので、出走表にて確認することができます。
今回のレースのラインの競走得点が、
- ラインA(5-2-9):競走得点「85.61-86.13-82.50」
- ラインB(3-1-7):競走得点「87.52-82.35-84.04」
- ラインC(8-4-6):競走得点「81.55-82.25-70.22」
となっています。
このとき、ラインAが強い場合が多くなっています。
ラインCは、ラインを組む3選手とも弱いので、1着〜3着に入ることはまず少ないです。
そして、ラインAとラインBは、ラインを組んでいる3選手の競走得点合計を見てみましょう。
- ラインA:85.61+86.13+82.50=254.24
- ラインB:87.52+82.35+84.04=253.91
以上のように、ラインAの競走得点合計が高いですね。
また、ラインでは3選手の強さのバランスが丁度良いとチームワークを発揮しやすいです。そのため、最も強いのはラインAと言えます。
方法③:決まり手を見る
出走表の「決まり手」もライン予想に役立ちます。数値が高いほど、決まり手を多く決めて1着か2着に入っています。
そして、ラインの先頭の選手の「逃げ」と「まくり」の回数を見ると、ラスト1周に入ったときのライン同士の位置関係を予想できますよ。
- 「逃げ」が多い選手→ラスト1周に入ったタイミングで前方にいることが多い
- 「まくり」が多い選手→ラスト1周に入ったタイミングで中団~後方の位置にいることが多い
以上のことから今回のレースでは、
- 逃げ→8番車の鈴木 豪選手の2回、3番車大利 航平選手と5番車の矢田 晋選手の1回
- まくり→3番車の大利 航平選手の9回、5番車の矢田 晋選手の5回、8番車の鈴木 豪選手の3回
と出走表から読み取れます。
そのため、ラスト1周に入ったタイミングでは、ライン同士の位置関係が前から順番に「5-2-9」「3-1-7」「8-4-6」となると予想できますね。
方法④:「B」「H」を確認する
出走表では「B」と「H」も確認します。「B」と「H」はそれぞれ
- B(バック回数):直近4カ月で、残り半周時点でバックストレッチラインを通過した回数
- H(ホーム回数):直近4カ月で、残り1周時点でホームストレッチラインを通過した回数
を表しており、
- Bが多くてHが少ない選手→残り半周でまくりを仕掛けやすい
- Bが少なくてHが多い選手→先行して逃げを狙いやすい
の傾向にあります。
上の画像では、
- 3番車:「B」 4回、「H」2回
- 5番車:「B」 5回、「H」3回
- 8番車:「B」 10回、「H」13回
となり「5-2-9」「3-1-7」「8-4-6」のライン構成から、3番車がまくりを決めてくるだろうと予想できます。
まとめ
今回は、三連単を当てるための強いラインの見極め方についてご紹介しました。
〜強いラインの見極め方まとめ〜
- ラインは競輪予想には欠かせない
- ラインは同じ県や同じ地区の選手同士で組まれる
- 競走得点が高い選手がいると強いラインになりやすい
- 出走表の情報を確認する
競輪におけるラインは、レースで誰が勝つのか、どのようなレース展開になるのかを予想する上で欠かせません。
- 「誰と誰がラインを組むのか」
- 「ライン内の選手がどの順番で並ぶのか」
- 「どのラインが強いのか」
以上が分かると、競輪の面白さがもっと味わえるでしょう。ぜひ、出走表を使ってラインを予想してみてくださいね。